ドライブーケの秘密|ブーケのアトリエ・ラフィーネ

【ドライブーケ】とは？

「ドライブーケ」と聞いてすぐに、どんなものかお解りになるでしょうか?

ドライブーケとは結婚式の時に、花嫁さんがお持ちになったブーケをドライ加工した後、特殊加工を施し長期保存を可能にしたものです。「ブーケのアフター加工」とも言われています。

「ドライブーケ」「アフターブーケ」呼び名は違いますが同じ、製法としては基本的に同じものです。

※　また結婚式のブーケだけでなく、プロポーズ、卒業、退職、花束等いろいろな場面での想い出のお花も加工保存できます。

ナチュラルドライフラワーとプリザーブドフラワーの違い

当工房のドライブーケ用に加工したナチュラルドライフラワーです。プリザーブドフラワーとは製法が異なります。

プリザーブドフラワーは、生花から脱色液で色を抜き着色液で色を吸わせて、付け直してから、乾燥させます。
触感や見た目はベルベットのような質感で重厚な感じに仕上がります。空気中に出しておいても、そのままで数年お楽しみいただけます。

当工房では、お預かりいたお花を乾燥剤などを用いた加工法で水分を抜き、ドライフラワーにしています。状態としては一般的なドライフラワーと同じです。

お花を一輪一輪個別に乾燥材の中へ形が崩れないように埋めていきます。

生花から水分を飛ばし、基本的には花本来の色素だけで発色させます。
（品種によっては着色するものや、色味を引き出すために特殊な加工を施すものもあります。）

加工後のお花自体の質感は、紙のような感じでとても繊細です。

加工後、そのまま置いておくと大気中の水分などをどんどん吸ってしまいます。

（これは、一般的なドライフラワーのイメージと同じです）

そこで、加工したお花を密閉したケースの中に保存します。
この時、酸化を遅らせるための特殊加工を施し、完成となります。

直射日光などを避けていただければ、状況にもよりますが数年～長いものでは十年以上、ほぼ劣化せずにお楽しみいただけます。

ドライブーケができるまで

ここで、お花をお預かりしてから、完成までの流れをご紹介いたします。

「ナチュラルドライフラワー」

と聞くと、くしゅくしゅとしたイメージを持たれる方が多いと思います。

ドライブーケに使用するお花は、ナチュラルドライフラワーといっても、そのくしゅくしゅとしたイメージの物とは違います。

まず、お花の水分を飛ばすために、花の形が崩れないよう花びら一枚一枚の間に粒状の乾燥材を入れ、その中に埋めていきます。
ここで、ほぼ形が決まってしまいますので、形を作りながら丁寧に加工していきます。

ドライアップまでにかかる時間は、お花によって違いますが早いものでは、数日、長いものでは一か月近くかかります。

ドライアップ後は薄い紙のような質感で、乱暴に触るとパリパリと割れてしまう状態です。
とても繊細なので、慎重に慎重に取り扱っています。

花によってドライアップまでの期間が異なりますので全ての花材がドライアップした段階で、アレンジのための準備に入ります。

花一輪一輪をワイヤリングします。

「ワイヤリング」というのは、花びらや茎などを針金などで、補強、固定していく作業です。

ユリなど一部のお花は花びらに分解して、ドライアップします。アレンジの際に、もう一度お花の形に組み直します。

この時に、褪色傾向の強いお花やグリーンなど一部着色する場合があります。

今度は元の写真を見ながらブーケを組み上げていきます。
元の形を残す場合、生花の時のブーケと同じようにアレンジしていくと容器の大きさに入りません。ですので、全体のバランスを見ながら容器に合わせてサイズダウンして組み直します。

この時に、注意しないと、中のお花がガラスのケースに当たってしまったりココン等のガラスドームの場合はかぶせられなかったりしてしまいます。

ガラス面とお花の距離。

これをバランス感覚で調整しながら仕上げていきます。また、花びらの先などの少し傷んだり、色の変わっている部分などは元の形から違和感の無い範囲で、カットしてできるだけきれいに仕上げます。

ケースの大きさにより、アレンジできる空間が限られてきます。
イメージを大切に、できる限りお花を残せるように、組み込んでいきます。
アレンジャーの腕の見せ所です。

アレンジが仕上がったら、今度は特殊な加工を施し、容器を密閉して完成です。